皆さんは、海外出身の人が“Thanksgiving”と言っているのを聞いたことはありませんか?またそれが何を指すのか知っていますか?今回は、アメリカでは有名な“Thanksgiving”について知識を深め、海外の文化を楽しく学んでいきましょう!
“American Thanksgiving(アメリカの感謝祭)”は、11月の第4木曜日に祝われるアメリカの祝日です。主に家族や友人で集まって食事をしたりする祝日ですが、地元のフードバンクやホームレスシェルターで恵まれない人たちのためにボランティア活動を行う人もたくさんいます。最も大切なことは、たとえ多くのものを持っていなくても、今ある全てのものに対して感謝をするということです。
また、感謝祭はホリデーシーズン(感謝祭、クリスマス、ハヌカー、クワンザ、そして大晦日 と元旦)の始まりと考えられているため、多くの家庭では感謝祭が終わるとホリデーシーズンの飾り付けをし、子どもたちはサンタクロースへのお願いごとリストを書き始めます。一般的に木曜日から日曜日までの4日間は学校が休みになり、学生にとっては、ご馳走だけではなく非常に喜ばしい祝日です。
11月の第4木曜日に、多くの家族がアメリカ中で集まるのはなぜでしょうか?その背景として、ネイティブ・アメリカン・インディアンの多くの部族には、収穫を祝い、感謝を捧げるという長い歴史があるということが関係しています。感謝祭の起源を説明する上で最も有名なものは、1621年にプリマス植民地(現在のマサチューセッツ州)でイギリスからの入植者たちとネイティブ・アメリカン・インディアンのワンパノアグ族が分かち合った数日間の祝宴の話です。イギリスの入植者たちはその1年前の1620年11月にその地へ到着しましたが、厳しい冬に対する備えができていませんでした。その結果、多くの人々が亡くなりましたが、ワンパノアグ族は彼らを助け、農耕や狩猟の方法を教えました。そしてワンパノアグ族のおかげで、1621年の秋、入植者たちはトウモロコシ、豆、カボチャを収穫することができました。入植者たちはワンパノアグ族を招き、感謝の意を込めて収穫を分かち合ったということです。
1789年、ジョージ・ワシントンは感謝をし祈る日として、感謝祭を初めてアメリカ全土に宣言しました。その後1863年に、エイブラハム・リンカーン大統領が、国民の祝日として感謝祭を制定し ました。
感謝祭は文化的であり、それぞれの家庭においても伝統が色濃く残っています。古いものもあれば、新しいものもあり、かなり変わったものもあります。いくつかを簡単に説明してみましょう。
七面鳥と七面鳥の“そっくりさん”:七面鳥はアメリカの感謝祭を象徴する食材です。多くの人は感謝祭の数日前に普通の七面鳥を購入し、感謝祭のディナーのために準備をします。しかし最近では、伝統的な七面鳥をアレンジした様々なものが登場しています。
まず“Tofurky”(豆腐+七面鳥)は、肉を食べない人向けに作られた植物由来の代替品で、“Tofurky”はそのブランド名です。1995年頃から販売されており、実際の七面鳥に代わる、最も人気のあるヴィーガン向けの商品です。
他に、七面鳥をアレンジしたものとしては、“turducken”というものがあります。元々は、七面鳥の胴体の空洞の中にパンと調味料を詰め、七面鳥がローストされる間にその肉汁を吸収し、とても美味しいサイドディッシュとして提供されます。しかし“turducken”は、七面鳥の中に鴨肉と鶏肉を詰めたものです。だから“turducken (turkey:七面鳥+duck:鴨+chicken:鶏)” という名前なんですね。斬新ですが、ものすごく珍しいというわけでもありません。あなたは試してみたいですか?
大統領による七面鳥の恩赦:毎年、アメリカの大統領は、「恩赦」として1羽の七面鳥を選び、その七面鳥は食べられることを心配することなく、ホワイトハウスの敷地内で余生を送ることができます。この伝統は、1863年にリンカーンの息子タッドが、七面鳥のジャックを殺さないよう、父親に懇願したことから始まりました。
ウィッシュボーンを折る: ウィッシュボーンとは、七面鳥の胸にある骨のことで、二方向に枝分かれした木のような形をしています。感謝祭では伝統として、七面鳥を切り分けた後にウィッシュボーンを外し、二人で骨の片側をそれぞれ持ち、二つに割れるまで引っ張ります。真ん中の部分のついた大きい方の骨を持っている人は、願いが叶うと言われています。
メイシーズ・サンクスギビング・デイ・パレード:1924年から続くパレードで、毎年350万人がニューヨークの通りに並び、さらに5000万人が家のテレビでこのパレードの様子を見ます。この壮大なパレードでは、スヌーピー、スパイダーマン、ピカチュー、ドナルド・マクドナルド、バズ・ライトイヤーなど、子どもたちの大好きなキャラクターの形をした巨大な風船がたくさん登場します。これらの風船は、長さ18メートル、幅9メートルにも及び、風船に取り付けられたロープを数名の人が支えています。また山車やマーチングバンド、そしてマライア・キャリー、シェール、カイリー・ミノーグなどの歌手がパレードの沿道でパフォーマンスを披露します。パレード最後の山車には、ホリデーシーズンを代表する本物のサンタクロースが乗っています。
フットボール:フットボール(アメリカンフットボール)は感謝祭ホリデーの伝統の中では外せないものです。もちろんフットボール好きな人ばかりではありませんが、やはりフットボールは避けて通れません。多くの家庭では大抵テレビでフットボールの試合を見ており、どこへ行っても、感謝祭の試合について誰かが話しているのを耳にすることでしょう。
フレンズギビング:家族や家から離れて住んでいるとき、あなたは感謝祭には何をしますか?“Friendsgiving”ですね!“Friendsgiving(フレンズギビング)”とは、そのまま、友人と感謝祭を祝うことです。日本に20年以上住んでいる私にとって、この習慣はとても慣れ親しんだものです。ほぼ毎年、バンド仲間や友人たちと集まり、料理を持ち寄って、感謝祭ディナーを食べます。みんなが違う料理を持ち寄り、ご馳走を食べるのです。本当に特別な時間で、とてもくつろげる、あたたかい時間です。
残り物:感謝祭の醍醐味のひとつは「残り物」です。大抵、宴会時だけでは食べきれないほどたくさんの料理が出ます。そのため、両親や祖父母は、子どもたちや家族の若いメンバーに、残り物を持ち帰るよう頼みます。持ち帰る側だった私は、いつも喜んでそれに応じていました。
残り物は私にとって、感謝祭の楽しみの一つです。感謝祭が終わっても、それを食べることで、また思い出がよみがえります。......いや実際、料理は本当に美味しいですし、残り物があると料理をしなくて済むので、とても嬉しいですね。やはり残り物は最高です!
ここまで、感謝祭の歴史と伝統についてお読みいただき、ありがとうございました。この記事を読んで、感謝祭についてより深く理解し、皆さんもさらに興味を持っていただけたなら幸いです。もっと学びを深めたいという方は、ぜひ当校の他の学習ブログをご覧ください。英語のスキルや文化的知識を深めたいという方には、50分間の無料レベルチェックと、語学専門のマルチリンガルなネイティブ講師による50分間の無料体験レッスンをご用意しています。皆さんのお問合せをお待ちしております!