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『No』が『その通りです!』の意味になる!?

By Brian Carpenter 2024/02/16


『No』が『その通りです!』の意味になる!?


レッスンが終わり、ケントを玄関まで送っていくとき、彼は、はっと息をのみました。バンという音がしたのです。彼は新しいiPhoneを落としてしまいました。そしてそれを拾い上げて確認し、安堵してため息をつきました。

彼に「It didn’t break, did it?(壊れてないよね?)」と尋ねると、彼は 「Yes, it’s not broken.」と答えました。

英語教師として、私はふと耳を疑いました。彼の返事はどこか不自然だったからです。 そして私は、「No, it’s not broken.」だと彼の返事を訂正しました。

彼は、質問内容に対して同意し確認をする返答の中で、なぜ「No」と答えなければならないのか、その点がとても難しいと言いましたが、彼はそのとき時間がなかったので、次回のレッスンで説明してほしいと私に頼みました。

このポイントは私の授業中にもよく話題にあがりますし、日常英会話の場面と同様、ビジネス英語の文脈でもきちんと理解することがとても重要です。そのため今回、ショートレッスンとしてこのブログを書こうと思いました。

ケントが最終的に言いたかったことは、「My smartphone did not break.(スマホは壊れていなかった)」ということでした。これには否定を表す「not」が含まれています。

英語では、質問に対する最初の反応である「Yes」か「No」と、その後に続く文の文脈(肯定か否定か)を一致させる必要があります。

最初の「Yes」と「No」の返答は、(日本語で答えるときのように、)質問内容に対して同意しているかしていないかではなく、「Yes」や「No」という返答が質問に対する直接的な答えの部分と一致している必要があるということです。

否定の意味を含まない質問では、比較的簡単です。

"Your birthday is this weekend, isn’t it?”
“Yes, it is. Thank you for remembering!”

「あなたの誕生日は今週末ですよね?」
「はい、そうです。覚えていてくれてありがとう!」

あるいは、

“Your presentation is on the 20th, right?”
“No, it’s on the 27th.”

「あなたのプレゼンテーションは20日ですよね?」
「いいえ、27日です。」

しかし質問に否定の意味が加わると、日本人にとっては少し複雑になります。

“Your birthday isn’t this weekend, is it?”
“Yes, it is. You forgot!?” (Yes, it is this weekend.”)

「あなたの誕生日は今週末ではありませんよね?」
「いいえ、そうですよ。忘れたんですか!?(誕生日は今週末です。)」

あるいは、

“Your presentation isn’t on the 20th, is it?”
“No, it’s on the 27th.” (No, it is not on the 20th.”)

「あなたのプレゼンテーションは20日ではありませんよね?」
「はい、27日です。(20日ではありません。)」

日本人にとって少し難しいと思われる点は、質問の仕方が否定から肯定に変わっても、答え方が変わらないということかもしれません。

上記の例ように、質問の仕方が肯定から否定に変わっても、最初の「Yes」と「No」の返答が 「Yes, it is. 」または 「No, it's on the 27th. 」のように、変わらないということです。

質問の表現に注目するのではなく、質問の意味に注目をしてみましょう。

従って、私が「Your smartphone didn’t break, did it?(あなたのスマートフォンは壊れませんでしたよね?)」と尋ねるとき、私が本当に尋ねたい意味としては「Did your smartphone break?(スマホは壊れましたか?)」と同じだということです。

だから、ケントに「Did your smartphone break?」と尋ねても、「Your smartphone didn’t break, did it?」と尋ねても、彼の返答の仕方は同じになります。 「No, it didn’t.」です。

私自身、日本語を学んでいる立場からしても、このポイントは日本語学習における大きな課題でもありました。

まず私は会話を止めてどのように返答をするか、きちんと考えないといけなかったからです。話を止めて返答を考えることは、少し気まずく感じました。しかし練習すればするほど、それが自然に感じられるようになり、スムーズに使えるようになりました。きっとあなたの英語学習においても、練習を重ねれば同じことが言えると思います。

練習:

こちらにいくつかの例文を載せています。ぜひ声に出して質問を読み、また回答を行ってみてください。 そして1つか2つの文を選び、考えずに独りで言えるようになるまで、そして覚えられるまで、繰り返し声に出して言ってみてください。

25回、50回、もしくは100回と何度も復唱する必要があるかもしれませんが、その練習は、否定のニュアンスを含む質問をされたときに、「Yes」と「No」を違和感なく返答する上で必ず役立つはずです。

Don’t you have to take the Eiken test this weekend? (Do you have to take the Eiken test this weekend?)
Yes, I have to take Eiken on Sunday. (Yes, I have to take the Eiken test.)

No, I’m not taking it this time. (No, I do not have to take the Eiken test.)

Didn’t you have lunch? (Did you have lunch?)
No, I didn’t. I’m hungry. (No, I did not have lunch.)
Yes, I ate before I came. (Yes, I had lunch.)

You don’t like basketball? (Do you like basketball?)
No, the games are too long and boring. (No, I don’t like basketball.)
Yes, I love it. I’ve been playing for years. (Yes, I like basketball.)

You can’t speak French, can you? (Can you speak French?)
No, I studied in high school, but I forget it now. (No, I don’t speak French.)
Yes, actually I used to live in France. (Yes, I can speak French.)

You didn’t eat the cookies on my desk, did you? (Did you eat the cookies?)
No, I am allergic to cookies. (No, I didn’t eat the cookies.)
Yes, they were delicious. (Yes, I ate the cookies.)

You haven’t had a day off this month, have you? (Have you had a day off?)
No, I’ve been working everyday since the 15th of last month. (No, I have not had a day off.)
Yes, I was off yesterday. (Yes, I have had a day off.)

そして質問や返答の一部を、異なる状況に置き換えて練習してみてください。

例:

Aren’t you off this weekend?
No, I am in the middle of a big project, so I have to work. (I’m not off.) / Yes, I’m off.

Aren’t you off tomorrow?
No, I have to work. (I’m not off.)

Don’t you work tomorrow?
No, I’m off. ( No, I don’t work tomorrow.)
Yes, I have to go in early. (Yes, I have to work.)

あなたの生活の中でよくあるシチュエーションに置き換えて練習できると、なお良いでしょう。

ぜひ皆様も、そしてケント君も、これからも英語学習を頑張ってくださいね!

このブログをお読みいただき、否定のニュアンスを含む質問とそれに対する「Yes」と「No」の返答に、ぜひ自信を持っていただき、より流暢な英語に一歩でも近づいていただけたら、とても嬉しく思います!

こちらのポイントに関するご質問や、その他、語学学習に関するご質問をお持ちでしたら、ぜひ50分の無料レベルチェックレッスンと50分の無料体験レッスンにお越しください。皆様に直接お会いできる日を楽しみにしております!

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