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英検がリニューアルされる!?傾向と対策

By 陽奈 藤澤 2024/03/02


英検がリニューアルされる!?傾向と対策


皆様こんにちは!

英語を学んでいる人なら誰しも一度は受験を考えるであろう『英検』。 その英検が、今年2024年度から出題方式が変更され、難しくなるという噂を聞いた人は多いのではないでしょうか? 級が上がるごとに、ただでさえ難易度が上がる英検ですから、出題方式が変わり、勉強範囲が増えると聞くと不安になってしまいますよね。

今回は、英検の出題方式変更に関するいくつかの情報をこちらにまとめてみました。 今まさに英検受験に向けてがんばっている人、また将来英検を受験したいと考えている方の一助になればうれしく思います。

<目次>

  • 1. 英検出題方式が変更される背景と概要
  • 2. 具体的な変更点
    • 2.1 1級、準1級、2級の「要約」問題とは?
    • 2.2 準1級の「話題導入文」とは?
    • 2.3 準2級、3級の「Eメール」問題とは?
  • 3. 学習のポイントと対策
    • 3.1 1級、準1級、2級の「要約」問題について
    • 3.2 準2級、3級の「Eメール」問題について
  • 4. まとめ

1.英検出題方式が変更される背景と概要

英検協会では、英検出題方式変更の目的は、現在の学習指導要領では「複数の技能(領域)を統合した言語活動の充実を図ること」と「知識や技能の習得だけでなく、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じた言語の運用を考える中で思考力、判断力、表現力等を育成すること」が求められているため、これらを踏まえて新たな英語能力観を反映した出題形式を取り入れる必要があると判断したため、とされています。

つまり、4技能(Reading、Writing、Listening、Speaking)をまんべんなく習得し、それらを統合して実際に使える能力を判定するため、英検の内容も変更されるということです。

変更時期については、2024年度の第1回検定からを予定しているとされており、対象となる級は、3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)とされています。(英検S-CBTは2024年5月実施分から変更予定。) ※なお現時点では、詳細についてまだ「予定」とされていることについて予めご了承ください。

2.具体的な変更点

各級の具体的な変更点について見ていきたいと思います。

<1級>

  • Reading:41問から35問へ。短文の語句空所補充(単語問題)3問削除、長文の内容一致選択3問削除。
  • Writing:英作文問題の出題が1題から2題に増加。「意見論述」の出題に加え「要約」問題が出題される。
  • 筆記試験の試験時間:変更なし(100分)
  • Listening、Speaking:変更なし

<準1級>

  • Reading:41問から31問へ。短文の語句空所補充(単語問題)7問削除、長文の内容一致選択3問削除。
  • Writing:英作文問題の出題が1題から2題に増加。「意見論述」の出題に加え「要約」問題が出題される。
  • 筆記試験の試験時間:変更なし(90分)
  • Listening:変更なし
  • Speaking:受験者自身の意見を問う質問(No.4)に「話題導入文」が追加される。

<2級>

  • Reading:38問から31問へ。短文の語句空所補充(文法問題など)3問削除、長文の内容一致選択4問削除。
  • Writing:英作文問題の出題が1題から2題に増加。「意見論述」の出題に加え「要約」問題が出題される。
  • 筆記試験の試験時間:変更なし(85分)
  • Listening、Speaking:変更なし

<準2級>

  • Reading:37問から29問へ。短文の語句空所補充(熟語・文法問題など)5問削除、長文の語句空所補充3問削除。
  • Writing:英作文問題の出題が1題から2題に増加。「意見論述」の出題に加え、「Eメール」問題が出題される。
  • 筆記試験の試験時間:延長(75分から80分へ)
  • Listening、Speaking:変更なし

<3級>

  • Writing:英作文問題の出題が1題から2題に増加。「意見論述」の出題に加え、「Eメール」問題が出題される。
  • 筆記試験の試験時間:延長(50分から65分へ)
  • Reading、Listening、Speaking:変更なし

以上の変更点をおおまかにまとめると、3級を除く各級のReading問題が一部削除され、反対に、1級、準1級、2級では、Writingで「要約」問題が追加され、また準2級、3級ではWritingで「Eメール」問題が追加されるということです。 また準1級のSpeakingの「No.4」(一番最後の問題)に「話題導入文」が追加されます。

全体的には、Readingの語彙や文法を問う問題が減らされ、Writingの問題が増える傾向が見られます。今までは穴埋め問題などで単語や文法を問う問題が出題されていましたが、そういった問題が一部削除され、代わりにWritingの中で単語や文法がきちんと使えているかを判断されるようになるということです。

またスコアに関しては、4技能の英検CSEスコア配分や各級の合格基準スコアに変更はないということです。

2.1 1級、準1級、2級の「要約」問題とは?

1級、準1級、2級のWritingで追加される「要約」問題は、「意見論述」問題の前に出題され、内容(きちんと要約になっているか)・構成(文章の構成や流れが分かりやすく論理的であるか)・語彙(各級のレベルに合った語彙を使用できているか)・文法(文章を構成する上で文法が正しく使えているか)の4つの観点で採点されます。 1級では90~110語、準1級では60~70語、2級では45~55語で記述することが求められます。

2.2 準1級の「話題導入文」とは?

準1級のSpeakingでの「話題導入文」とは、Speakingの一番最後の問題(No.4)において、今までは唐突に社会的な問題について質問されていましたが、その前の部分に、質問の前提となる知識や背景を説明する文が加えられます。 この話題導入文が追加されることで、質問の意図を捉えやすくなり、解答がしやすくなると考えられます。

2.3 準2級、3級の「Eメール」問題とは?

準2級、3級のWritingで追加される「Eメール」問題は、「意見論述」問題の前に出題され、内容(きちんと「返信」の内容になっているか、要点がずれていないかなど)・語彙(各級のレベルに合った語彙を使用できているか)・文法(文章を構成する上で文法が正しく使えているか)の3つの観点で採点されます。 準2級では目安は40~50語とされており、Eメール形式の文章を読んで、Eメールの質問に対する「返信」をわかりやすく英文で書くことや、本文中の下線部に対する質問を自身で考え英文を書くといった形式で出題されるようです。 また3級では目安は15~25語であり、Eメール本文中の下線部に対応する返信を自身で考え英文で記述するといった形式で出題されるようです。

3.学習のポイントと対策

英検の出題方式変更にあたり、学習のポイントと対策として押さえておきたい点を見ていきましょう。

3.1 1級、準1級、2級の「要約」問題について

1級、準1級、2級の「要約」問題では、問題文をきちんと読み取り理解するスピードと、その上で文章を要約する能力の二つが重要となってきます。 筆者の主張するポイントやその文章の中の最も重要なポイントが何かということに注目しながら問題文を読み、また解答を書く際には、本文の一部をそのまま解答に書いてしまうのではなく、自分の言葉を使って文章をまとめることがポイントとなります。

英文を読み、それを要約するスキルを磨く上で、以下のウェブサイトがとてもおすすめです。

「The Guardian」(無料で購読できます)
https://www.theguardian.com/

「The New York Times」(購読には月額約300円必要ですがこちらも大変おすすめです)
https://www.nytimes.com

これらのウェブサイトの記事は全て英文で書かれており、英検のWritingでよく出題される政治や経済、社会や文化、また技術といったトピックに加え、他にも様々な記事を英語で読むことが出来ます。 これらの記事を1日1つ読み、その要約と自分の意見を英語で書くようにしてみると、英検のWriting対策としてとても役立つでしょう。記事を読む中でそれぞれのトピック内容自体に慣れることも出来ますし、また関連する語彙やフレーズの学習にもなります。 初めはなかなか慣れないかもしれませんが、1日1記事を読み、要約や意見を英文で書くことを習慣に出来れば、いざ本番の試験で英文を前にしても、慌てず解答に取り組むことが出来るでしょう。

また文章を要約する上で、同じ意味を持つ単語やフレーズを出来る限り覚えておくと、問題文の内容を自分の言葉でまとめる際にとても役に立ちます。接続詞なども効果的に使い、文章を簡潔に分かりやすくまとめられるよう練習をしておきましょう。

3.2 準2級、3級の「Eメール」問題について

準2級、3級の「Eメール」問題に関して、こちらもまずは問題文の英文をきちんと理解出来るよう、普段から英文を読むことに慣れておくことが大切です。 英文を読むこと自体に慣れるために、上記ウェブサイト「The Guardian」や「The New York Times」から興味のある分野の記事を英語で読む練習をしておくこともおすすめです。 また、Eメールの様式で英語の文章を書く練習をしておくことや、実際に英語でEメールをやり取りすることもひとつの学習方法と言えるでしょう。

いずれにしても、Writing問題の対策として、普段から英文を読むことに慣れておくことと、自分の考えや意見を自分の文章として英語を使って書けるよう練習し、使える語彙やフレーズを増やしておくことが大切です。 文章を構成する際の語彙や文法に関しては、各級のレベルに合ったものを使用することが望ましいですが、自信のない単語や文法をむやみに使うことは避け、誤ったスペルや誤った用法をしないように注意しましょう。

4.まとめ

英検は級が上がる毎にやはり難易度が高くなり、学習範囲も増えます。 それに加え今回のように出題方式が変わるとなると、合格できるのだろうかと不安になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。 しかし変更される点を把握し、きちんと対策をしておけば、合格は決して遠いものではありません。 英検の出題方式が変更される理由は、社会的に求められる英語のスキルを4技能まんべんなく測ることだと思われます。 今回追加される項目は主にWritingの分野であり、自身の意見を自分の言葉で伝える能力は、英検のみならず社会で英語が求められる際に必ずと言って良いほど必要となってくるスキルでしょう。 英検受験やそれに向けての学習の目的を、単に「英検合格」ではなく、「本当に使える英語を身につけるチャンス」と捉えれば、今回の出題方式変更は、また違って見えてくるかもしれません。 これから英検を受験される皆様、また英語を学習する全ての方を心より応援しています。

私たちエクスリンガルでは、英検特化コースを開講しています。 レッスンは、生徒様お一人お一人が英語で話す時間を十分にとれるよう行っております。また自分の意見を自分の言葉で分かりやすく伝えることにも力を入れており、これは英検のWritingやSpeakingで非常に重要となってくるスキルでもあります。 英検を含め英語学習をする全ての方のお力になれますようサポートをさせていただいております。 ともに50分間のレベルチェックレッスンと体験レッスンを常時行っておりますので、今まさに英検に向けて学習している方、英語や語学に興味がある方、またご自身の英語力に磨きをかけていきたいという方は、ぜひお気軽に私たちのスクールにお問い合わせくださいね。 いつでもお待ちしています!

参考:
2024年度 実用英語技能検定(英検) 問題形式リニューアルサイト|英検|公益財団法人 日本英語検定協会 (eiken.or.jp)
・英検 頻出度別問題集

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