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言語を学ぶ中でだんだんと見えてきたこと

By Gareth Macdonald 2020/10/21


言語を学ぶ中でだんだんと見えてきたこと


"前回の投稿では、巷でよく耳にする「驚くほど短い期間で語学を習得できる」という主旨の疑わしい広告文句について書きました。前回の記事のポイントは、エクスリンガルの生徒さんや記事を読んでいる方に向けた「最終的な結果よりも、そのプロセスに焦点を当てること」のすすめでした。言語学習は通常、とても長い道のりだからです。

「外国語のように複雑なものを長期的に学習する」という一見不可能にも見える課題に直面した時、私たちはいくつかの戦略を使うことができます。私は過去18年間英語を教え、自分自身も外国語を学ぶという困難な経験からそのうちの何個かを学びました。今日はその中から一つを紹介したいと思います。

私の語学学習の旅は、ずっと昔、ジンバブエのファルコンカレッジという高校にいた時に始まりました。当時私は13歳で、高校を卒業したら南アフリカの大学に行きたいと思っていました。その頃、南アフリカの大学に入るには第二言語の修了が必要でした。私はフランス語とアフリカーンス語の2つから、世界でより広く話されているフランス語を選択しました。自分でも認めるところですが、私はフランス語の授業では落ちこぼれでした。フランス語は難しく、将来自分がそれを使う姿も想像できなかったので、大学入学に必要なGCSEOレベルのフランス語を取得するために、最低限の努力をしました。私はいつも両親に「フランス語なんて将来使わないよ、なんで勉強しなきゃいけないの?時間の無駄だよ」と言っていました。今両親が驚いているのは、私がフランス人女性と結婚し、フランス南西部に住んでいることです。皮肉ですよね。

私たち人間の滑稽なところの一つは、怠惰や努力不足を、自分には能力や才能がないのだと言い訳してしまうことです。そちらのほうがずっと簡単だからで、私たち自身が悪いのではありません。人間の性(さが)とDNAがそうさせるのです。実際、私もそうでした。私は大学時代と初期の教師生活を科学と数学の世界で過ごしました。その間、フランス語学習における辛い経験を忘れ、自分には言語の才能がないと思い込んでいました。

さて、2001年まで話を進めます。私は様々な選択や出来事を経て日本に来て、世界でもかなり難しい言語の一つである、日本語という壁に直面していました。「さて、どうしよう?」私は自分の言語能力に自信がなかったため、愚かなことに、まったく何もしないことから始めました。2年間のみの日本滞在を予定していた私は「失敗に終わる可能性のあることをなぜ始める必要があるだろう?」と考えていました。

1年後、日本を楽しんでいる自分に気づき始めました。それどころか、2年の日本滞在後に移住する予定のオーストラリアよりも、日本の方がずっと面白いように感じたので、さらに長く留まることにしました。「よし、そろそろ日本語を勉強しなくては!」こうして私は、多くの人と同じように、週に1回のレッスンを受けることから旅を始めました。「これで十分だろう」と思っていました。毎週木曜日、律儀に大阪でのレッスンに通い、宿題はレッスン直前に慌ててやっていました。それ以外は何もしていません。当然のことながら上達は遅かったです。

1年後にはペースを上げようと決め、毎週レッスンを続けながら、自宅での自習にももう少し力を入れることにしました。奇跡的に私の上達スピードはすぐに上がりました。2年後には、日本語能力試験のN2に挑戦してみたい気持ちに後押しされて、一日の勉強量を増やしていきました。順調にN2に合格した後は、N1を取得するために集中して勉強しました。私はこの頃にはエクスリンガルの元となった長久手の語学学校プロキシリンガの設立にも携わっていたので、残念ながらN1の勉強はやめ、その代わり仕事のために日本語を勉強しました。しかし、私は知らず知らずのうちに、複雑なものを長期に渡って学習するための重要な鍵の一つを見つけたのです。

何だと思いますか?それは、日本語を学ぶ頻度を徐々に上げていくうちに、言語学習の習慣を毎日のルーティーンに組み込んでいくことでした。私は学習する言語を日本語からフランス語に切り替えたばかりですが、この習慣はずっと続いており、PythonやJavascriptといったプログラミング言語を学ぶのにも役立っています。私の毎日の勉強習慣は確立されており、一日の初めにスケジュールされています。その他の短期のプロジェクトは、これが終わった後に取り掛かります。長期プロジェクト(言語学習)の前に短期プロジェクトに手を付けると、短期目標を長期目標より優先してしまうことに気付いたからです。

学習習慣を身につけることは、意志の力やモチベーションに頼って毎週学習することよりもずっと簡単です。これらは私の経験上、短い期間しか継続せず、管理も難しいです。その日の気分や日々起こる出来事、その他コントロールできない要因によって上がったり下がったりするからです。しかし、私たちはどんな時でも歯を磨き、シャワーを浴びます。つまり、勉強することを習慣にしてしまえば、一日のうち一定の時間は必ず語学を学ぶことになるのです。この毎日の習慣は、2年、3年と続けていくと驚くほどの成果を生みます。

新しい習慣を身につけるには平均して約2ヶ月かかると言われています。たった2ヶ月間、毎日の意志と努力で、勉強することが自然な習慣になるのです。そして、この習慣は長期に渡るどんな分野の学習にも活用することができます。

もしまだ始めていないのであれば、一日の中で一定の時間を確保して勉強してみてはいかがでしょうか。できれば疲れていない時間帯がいいです。学習時間はあなたのニーズや学びたいペースに応じて変えてみてください。個人的には1日最低15分の学習をおすすめします。2ヶ月後には語学力の向上に気づくことができると思いますし、何よりも生涯続けることのできる学習習慣が身につくのです。これは私だけでなく、これまで教えてきた多くの生徒さんの助けにもなっており、あなたの役に立つであろう確信もあります。「習慣化」にぜひ挑戦してみてください!"

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