「30日間で英語上級者に!」

by Gareth, September 16, 2020

「2ヶ月で英語を話す方法」「たったの半年で英語がペラペラに!」「3ヶ月で外国語を話そう!」こういった謳い文句に聞き覚えがあるのは、あなただけではないでしょう。このような広告やキャッチコピーを私もネット上で何度も目にしました。昔、大阪で語学教育のキャリアをスタートさせたばかりで、自分のやり方が最善なのか自問自答していた当時、「すごいなあ、どうやってやってるんだろう?」「どんなふうに生徒に教えているんだろう、秘密を知りたいなあ」と羨ましく思っていました。長年に渡り、日本や世界の、数え切れないほどの人々に語学を教えてきた今では、その答えを知っているように思います。気になりますか?

さて、その答えは………がっかりさせて申し訳ありませんが、こういった宣伝文句はほとんど虚言に近いです。個人的に、「上記のような目標を達成するためにあなたをサポートする」と謳っている会社や個人は、相当疑いの目で見たほうがよいと考えています。もしくは、彼らの言う「外国語を話せる」という定義が私の思っているものとは違うのでしょう。「Proficient User(熟達した言語使用者)」とは何かを理解するには、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の定義が役に立つかもしれません。その定義は以下の通りです。


熟達した言語使用者



C2レベル


聞いたこと、読んだことのほぼすべてを簡単に理解することができる。映像・音声・文献など異なる情報源からの情報を要約し、主張や理論を再構成して、首尾一貫したプレゼンテーションができる。伝えたいことを自然に、非常に流暢に、正確に表現することができ、より複雑な状況でも、意味の微妙な違いを見分けることができる。

C1レベル

幅広い分野のレベルの高い、長い文章を理解し、言外の意味を捉えることができる。伝えたいことを、さして表現に悩むことなく、流暢に、自然に表現することができる。社会的な、学術的な、または職業上の目的のために、柔軟かつ効果的に言語を使用することができる。複雑なテーマについて、構成パターン、接続詞、つなぎ語をうまく使いながら、明確でうまく構成された詳細な文章を作成することができる。

C2とC1の下には、B2レベル〜初級のA1レベルがあります。詳しい定義はこちらをご覧ください


エクスリンガルでは過去8年間、本当に賢く、才能があり、勉強熱心な人たちを教えるたくさんの素晴らしい機会に恵まれました。しかし残念ながら、短期間でこれほどの熟達度に近づいた人は一人もいませんでした。なぜだと思いますか?それは、他の言語を学ぶことは、忙しい社会人にとって最も複雑で難しいことの一つだからです。確かに、4~5ヶ国語を学んだ人たちの中には、言語学習のプロセスや近道、最適な学習方法を独自に身につけている人もおり、比較的早く新たな言語を学ぶことが可能かもしれません。しかし、その人たちにとってさえも、2ヶ月やそこらの短期間では到底足りないのです。ポリグロット(多言語話者)ではない、バイリンガルやトリリンガルを目指しているほとんどの人々にとって、言語学習の道のりはまったく容易なものではありません。CEFRの段階分けで次のレベルに進むためには、平均200時間、指導を受けながら熱心に学習する必要があるとされています。

とはいえ、この記事の目的は読者をがっかりさせたり、やる気を削いだりすることではありません。むしろ、「あなたがゆっくり学習している間に、たったの半年で上級者レベルの語学力を身につけている人たちもいる」という神話を打ち消そうとしているのです。もしあなたが言語を学んでいるのであれば、安心してください。他の多くの大人もあなたと同じように、二ヶ国語・三ヶ国語・多言語を習得するため、相当に長い、あるいは終わりのない旅をしているのです。ネイティブスピーカーでさえ、その多くが自分の言語を学び続けているので、そのように思えるのかもしれません。私は英語のネイティブスピーカーで、自分の言語をかなりよく理解していると思いますが、まだまだ学ぶべきことがあると言えます。どう考えても辞書に載っている全ての単語を知っているわけはないですしね。英語の語彙が減ってきたと感じたときは、「悪魔の詩」や「真夜中の子供たち」で有名なサルマン・ラシュディーを始めとした作家の著書を読んで楽しんでいます。彼は英語の知識に長けていて、数ページも読まないうちに辞書に手を伸ばすことになります。自分の言語の中で、書籍、あるいは異なった地域の英語を話す教師仲間から、いまだに新しい単語やフレーズを学ぶことができるという事実に大きな喜びを感じます。

さて、期待値がある程度――願わくばちょうどいいレベルまで――下がった今、この旅のためにできることは何でしょうか?最初の一番重要なステップは、言語を学ぶことは多くの人にとって生涯続く旅であることを理解することでしょう。旅のすべての瞬間、経験、楽しさ、新しい人々との出会い、そして時には恥をかくことも楽しむのです。最終的な結果ではなく、旅そのものに焦点を当ててください。

今後何ヶ月か、自分の経験に基づき、あなたの旅を助けるための記事をシリーズで書いていきたいと思っています。


Page generated in roughly: 0.030747 Seconds, 0 API Calls, 16 SQL Queries, 0 Cache Objects